2017年05月05日

バセドウ病の眼球突出の治療薬「テプロツムマブ」

楽しかったゴールデンウィークはあと少しで終わりですね。

今年は天気がよく、レジャーに最適でした。

北海道では、夏の気温でした。

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さて、今回のブログでは、女性に多いバセドウ病をテーマにします。

医療の進歩で、治療、管理することで普通の生活を送ることができます。

なお、症状として、眼球突出が女性にとって気になります。

バセドウ病の眼球突出の治療薬テプロツムマブの臨床試験(第2相)の試験が終了しました。

テプロツムマブは、早く登場して欲しい新薬です。

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バセドウ病

甲状腺機能亢進症のひとつです。

バセドウ病の研究を行ったドイツ医師バセドウにちなんで、バセドウ氏病と呼ばれた病気です。

現在、一般的にバセドウ病と呼んでいます。

疫学

男:女=1:4で女性の多い病気です。

好発年齢20〜30代です。

原因

発症メカニズムについては、はっきりとしていますが、原因はわかっていません。

遺伝的素因はあることがわかっています。

何らかの原因で免疫細胞が自己抗体をつくります。

要因

危険因子として、喫煙、副流煙の吸入が関係しています。

発症メカニズム

甲状腺は「のどぼとけ」の下にある臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。

甲状腺ホルモンは、新陳代謝と関係するホルモンです。

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌する自己免疫疾患です。

放置すると、新陳代謝の異常な促進で、さまざまな症状が現れます。

新陳代謝が促進することで、体重減少、心拍数の増加、汗をかきやすいなどです。

<自己免疫疾患>

ヒトには免疫があり、体内部に異物(病原体など)が侵入すると、マクロファージ、リンパ球などの免疫細胞(白血球)が処理します。

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マクロファージは直接、異物を貪食(どんしょく)、リンパ球は抗体で異物を攻撃します。

正常な免疫機能では、自己と非自己(病原体など)を認識することができます。

バセドウ病は自己免疫疾患であり、免疫細胞は甲状腺を異物とみなします。

リンパ球がつくる抗体が、甲状腺刺激ホルモンとしての役割を持つため、過剰に甲状腺ホルモンが分泌されるようになります。

なお、バセドウ病は、血液中の甲状腺ホルモン量が過剰に増加した状態です。

甲状腺ホルモン量をコントロールすることで寛解します。

症状

のどの腫れ

ときに眼球突出

新陳代謝の促進によって、さまざまな症状が現れます。

食欲の増加

体重の減少

微熱(体温の上昇)

頻脈(脈拍の上昇)

動悸

疲労感

不整脈

イライラする

あせる

職場の健康診断で、心電図、血圧測定時に発見されるケースがあります。優秀な看護師、臨床検査技師であれば異常に気がつきます。

また、健康診断の医師診察時、理学的所見で「のどの腫れ」に気がつきます。

治療

薬物療法

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処方例)
第一選択薬
抗甲状腺ホルモン剤
製剤名 チアマゾール
商品名 メルカゾール(あすか)
ジェネリック医薬品はありません。

アイソトープ治療

外科的手術

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薬物療法からはじめることが多いです。どの治療方法がよいか医師とよく相談します。

眼球突出の治療薬

テプロツムマブ
Teprotumumab
コードネーム:RG−1507

テプロツムマブは、生物学的製剤でIGF−1R(インスリン様増殖因子-1受容体)に反応するヒトモノクローナル抗体です。

もともとは、ロシュ社が開発したガン治療の生物学的製剤でした。

現在、Vision Development Corporationが、バセドウ病の眼球突出治療薬(眼軟膏)としてテプロツムマブの研究が行われています。

臨床試験(第2相)では、69%に有効性が認められました。

なお、現在、眼球突出の治療はステロイド療法が行われています。

ステロイドの副作用に抵抗感を感じますが、副作用で特に問題になるのは骨粗鬆症です。フォサマック(MSD)、ボナロン(帝人)などのアレンドロン酸が有効です。






posted by Kotoha at 20:39| Comment(0) | 医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする