2017年05月01日

炎症性サイトカインによる慢性炎症と高感度CRP検査

ヒトには老化現象があり、避けられない生理現象です。

女性は、年齢に関係なく、内面的だけでなく、外面的にも若々しくいたいものです。

若返り薬が開発されれば、早速、飲みたいものです。

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実際の効果はわかりませんが、米国サプリメントとして、アストラガルス抽出物のTA-65、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)で話題になったNAD+を増やすといわれるニコチン酸アミドリボシド(NR)、みなさんご存知の赤ワインに含まれるレスベラトロール、レスベラトロールよりも抗酸化能力の高いプテロスチルベンなどが製品化されています。

国産サプリメントでは、ポリアミンを増やすビフィズス菌LKM512(メイトー)、アガロオリゴ糖(アガフィトース)のアガフィット(宝バイオ)が注目されています。





ポリアミンとアガフィトースは慢性炎症を抑制するとされています。

ポリアミンについては、「哺乳類の寿命伸長効果を証明」と宣伝されています。

なお、残念ながら、これらサプリメントは医学的なエビデンスはありません。

ヒトを対象とした研究データではなく、あくまでも動物実験のデータです。

ただ、ちなみに、私の場合、LKM512とアガフィットをサプリメントとして摂取しています。

現在、ヒトを対象とした臨床試験が(治験)が行われています。寿命伸長効果のある医薬品としてメトホルミンの臨床試験です。


製剤名 メトホルミン
商品名 メデット(トーアエイヨー)、ネルビス(三和化学)、グリコラン(日本新薬)、メトグルコ(大日本住友)、メトホルミン塩酸塩錠は各社から発売されています。

臨床試験の結果が楽しみです。

今回のブログでは、寿命、老化と関係する炎症性サイトカインによる慢性炎症をテーマにします。

TNF-αなどの炎症性サイトカインは慢性炎症を引き起こす悪玉のサイトカインです。

ガン、動脈硬化、高血糖、インスリン抵抗性、脂質異常と関係しています。

慢性炎症を抑制することで、健康寿命の伸長が期待できます。

慢性炎症の指標値となる検査には血沈、高感度CRPがあり、最近では人間ドックの項目に取り入れているクリニックがあります。

外面的な老化

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シミ、シワ、たるみ、たるみ毛穴、開大毛穴は、女性が気になる外面的な老化です。

原因は遺伝子DNAにプログラムされた情報に従って老化します(プログラム仮説)。

肌老化の五大要因には、紫外線による光老化、炎症性サイトカインによる慢性炎症、活性酸素による酸化、インスリン抵抗性による糖化、毛細血管減少による栄養不足です。

最も影響力のあるのは、紫外線による光老化、炎症性サイトカインによる慢性炎症です。

肌老化

紫外線による光老化

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肌老化の約80%は紫外線による光老化です。

一般女性にも知られるようになり、1年を通して日焼け止め、日焼け止め効果のある化粧下地が利用されるようになりました。

日傘も利用され、紫外線と赤外線をカットする遮光傘が売れています。

紫外線のうちロングUVAは肌コラーゲンを分解・切断します。最近の研究で、近赤外線にも同様な作用があることがわかってきました。

外出時には遮光傘を利用したいものです。

炎症性サイトカインによる慢性炎症

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アトピー肌、敏感肌では、肌で慢性炎症を起しています。

影響力のある肌老化の要因のひとつです。

免疫細胞から分泌されるTNF-αなどの炎症性サイトカインは、慢性炎症、微弱炎症の原因です。

炎症性サイトカインは炎症性メディエーターを惹起して、負のスパイラルに陥りやすいです。

免疫細胞が分泌するエラスターゼは、コラーゲン線維、エラスチン線維などの細胞外マトリックスを分解します。たるみ、シワの原因になります。

また、炎症で炎症性色素沈着というシミをつくります。

ニキビなどの単回の急性炎症の炎症性色素沈着は消えやすいですが、慢性炎症では、肌奥深く真皮層に黒色メラニン色素が沈着します。

シミ、色ムラの原因になります。

内面的な老化

寿命の有力な仮説はプログラム仮説です。

ただし、生活習慣が影響力のある要因です。

栄養バランス、運動習慣、嗜好品などの生活習慣が関係しています。

現在(2017年)の日本人死因の第1位は悪性新生物(ガン)、第2位は心疾患、第3位は肺炎、第4位は脳血管疾患です。

加齢とともに、免疫細胞の老化によって、慢性炎症を起こしやすくなります。

上位を占めている日本人死因は、慢性炎症と深く関係しています。

特に心疾患は、慢性炎症と密接な関係です。

動脈硬化、高血圧、インスリン抵抗性(糖尿病)、肥満など心疾患の危険因子(リスクファクター)は、慢性炎症と関係しています。

慢性炎症

腹部肥満、筋肉痩せは、脂質異常(高LDLコレステロール血症)、動脈硬化、高血圧、インスリン抵抗性(糖尿病)と関係しています。

腹部肥満とアディポネクチン

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腹部の脂肪細胞からはアディポネクチンが分泌されています。

ただし、ぽっこりお腹(内臓脂肪の沈着)など腹部肥満では、肥満細胞中に中性脂肪が充満しています。

アディポネクチン分泌量が低下します。

なお、腹部肥満では炎症性サイトカインであるTNF-α分泌が増加します。

動脈の炎症反応を引き起こし動脈硬化の影響力のある要因です。

また、膵臓の炎症反応を引き起こすことで、高血糖、インスリン抵抗性の影響力のある要因になります。

さらに、肝臓の炎症反応を引き起こすことで、脂質異常(高LDLコレステロール血症)、非アルコール性脂肪肝炎の影響力のある要因になります。

なお、内臓脂肪から分泌されるTNF-αなどの炎症性サイトカインを、一般向けに悪玉アディポサイトカインと呼ぶことがあります。

筋肉とマイオカイン

内臓脂肪だけでなく、筋肉も内分泌器官、つまり臓器と考えられるようになりました。

筋肉から分泌されるサイトカインなど生理活性物質をマイオカインと呼んでいます。

マイオカインには、アディポネクチンとよく似た作用のあるマイオネクチン(CTPR-15)が筋肉から分泌されています。

内臓脂肪の減少に作用するサイトカインとしてIL-15(インターロイキン-15)、慢性炎症を抑制するサイトカインとしてIL-1RA、IL-10が分泌されています。

慢性炎症の検査

炎症の指標値になる検査には白血球数、CRP、血沈、高感度CRPなどの検査があります。

慢性炎症の指標になる検査は、血沈と高感度CRPになります。

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慢性炎症を抑制する方法

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腹部肥満、筋肉痩せの改善が有効です。

1日40分以上、週4〜5日以上の有酸素運動、筋力トレーニングが有効です。

なお、腸内フローラの乱れも慢性炎症の原因になっています。

野菜・海藻などの食物繊維、ビフィズス菌ヨーグルト、糸引き納豆などバランスよく摂取して良好な腸の状態をつくりたいものです。

森永乳業のビヒダスBB536は、制御性T細胞(Treg)を誘導、また、炎症性サイトカインIL-17の抑制が期待できます。

私の好きなヨーグルトです。

日本医科大学健診医療センター
posted by Kotoha at 12:00| Comment(0) | アンチエイジング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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